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花龍列車について

ここでは、十二の月を巡る不可思議な列車「花龍列車」そのものの正体や、作中で明かされている特殊な構造・運行の規則について解説します。


◆ 伝承:神々しき一匹の龍「花龍(ふぁろん)」

この世界において、神々しい列車の姿をした一匹の龍が存在します。その名を「花龍(ふぁろん)」と呼び、人々はその畏怖と親しみを込めて「花龍列車」と呼ぶようになりました。

古くから伝わる絵画には、二重の塔、三重の塔、五重の塔、咲き誇る桜を背景に従え、その手前を厳かに疾走する花龍列車の美しい姿が描かれており、この世界の象徴的な存在として認知されています。

◆ 構造:龍の胎内と乗客の規則

列車の内部は外見からは想像もつかない空間が広がっており、誰もが自由に過ごせる「待合室のような広間」や、乗客に割り振られた「個室の部屋」が存在します。しかし、その運行規則には奇妙な制限が存在します。

◆ 奇書:『花龍むかしばなし』が示す「龍の背」の謎

作中に登場する古い書物『花龍むかしばなし』には、この列車の不可解な構造を暗示するような、非常に意味深な一節が残されています。

「花龍列車は二号車までしか進めない。龍の頭へ進むためには最後尾にあった桃花の扉。背を超えゆけばしはす」

通常の運行では、乗客は2号車(如月)から先へは進めない仕組みになっているようです。しかし、この一節によれば、一度12号車(師走)へと逆行し、その最後尾に佇む「桃花(とうか)の扉」を開くことが、この列車の真のルートへと繋がっているのではないかと噂されています。

龍の体内をあとにし、その背を超えた先にある「頭」に辿り着いたとき、乗客は一体どこへ行き着くのか――。終わり(師走)の向こう側に隠された、この列車の最大の謎です。