1.足踏み両足を外八文字に踏み開きます。幅は矢束(喉もとから指先まで+5~6cm)が目安です。一足で踏み分ける方法と、二足に分けて踏み分ける方法があります。両足の親指の先を的の中心と一直線上に置くことが大切です。足踏みの際は、弓の上部(末弭・うらはず)が床につかないよう注意します。2.胴造り丹田に力を入れ、体の中心を意識して肩が床と平行になるように立ちます。弓の下部(本弭・もとはず)を左の膝頭に乗せ、右手は腰に置きます。次に、目線で弦調べ(つるしらべ)と箆調べ(のしらべ)を行います。膝の裏を伸ばして呼吸を整え、体が不安定にならないようしっかりと重心を置いて体を固定します。丹田…おへその下5㎝(指3本分)の辺の所。古代中国の医学で、丹は不老不死の薬、田はこれを産する土地を意味し、ここに力を入れれば、健康と勇気を得るとされています。 |
3.弓構え弓構えでは、「取懸け(とりかけ)」「手の内」「物見」という3つの動きを行います。「取懸け」では右手を弦にかけ固定します。続く「手の内」は左手の握りを整え、「物見」は右目で的の中心を見定め頭を固定する動きです。右手、左手、頭は一度固定したら射が終わるまで決して動かしません。4.打起し弓構えの動きを保ちつつ、両手が同じ高さになるよう静かに持ち上げます。打起こしには「正面打起し」と「斜面打起し」の2パターンがあります。打起こしの高さは額よりやや高め、高すぎるのは良くありません。上腕と体の角度が45度が目安で、身体から一番離れた位置まで持ち上げます。右の写真は「正面打起し」です。矢は常にほぼ水平に且つ体と平行に、両肩は下に沈むように注意しましょう。打起しは、ゆったりと伸び伸びした気持ちで、「胴造り」がくずれぬように、また拳に無用な力を入れぬようにすることがポイントです。 |
5.引分け弓を左右均等に引分けていきます。胸を開き、弓と弦の間に体を分け入れるような気持ちで行います。第一段階として、左肘が伸びる程度に引分けます。この開き具合が「大三」と呼ばれる状態です。さらに引分け、全体の3分の2ほどまで開きます。そのまま、弓が開ききるまで引分けていきます。 引分け時のコツは、ずばり「大きく引くこと」です。大きく引くことは腕力のみに頼って引くことではありません。胸を開き、弓の間に体を割って入るようにするのがコツです。 |
6.会引分けが完成し、矢を放つ機会を待つのが「会」です。丹田に力を入れ、自然な呼吸を心がけます。肩と肘の高さに注意しましょう。体全体のバランス、重心に気を配り、的をしっかりと見つめます。会の状態は5秒ほどキープしなくてはいけません。初心者ではかなり力を使いますが、心を冷静に保ち、離れの準備を整えることを意識します。 |
7.離れ機が熟したら、胸を開き、両腕が同じタイミングで左右に開くように心がけつつ、矢を放ちます。どちらかの手の動きが早いと、矢は的から外れてしまいます。理想の「離れ」は自然でスムーズな動きから成るといわれており、無心で的に向き合い正しい射を行うことが大切です。8.残心矢が離れた後も体を動かさず、矢のあたった場所を見据える動きです。気合を緩めず、一連の動きの集大成として残心を行います。その後、ゆっくりを弓を倒します(弓倒し・ゆだおし)。呼吸をしながら両手を腰に戻し頭を正面に戻します。 |