弓道の基礎知識

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弓道とは

弓道は、弓で矢を射り、矢が的中数を争う競技である。しかし、勝敗だけの競技ではなく、身体技術の修練に加え、礼を尊重し、稽古を通じて人格の向上を目指す「武道」である。

弓道の歴史

獲物を捕らえるための知惠の形として、世界中で弓は誕生し、旧石器時代末期には中近東アジア地方の民族により使用されてた。日本でも、石器時代末の製作といわれる銅鐸に描かれた狩猟の絵に、下部に「握り」がある長弓が発見されてる。中国に弓についての文献も多く、周礼や後漢書、特に礼記の「射義」の思想は日本の弓に大きく影響し、現在の弓道読本の冒頭にも記されている。源頼朝が鎌倉幕府を開いた12世紀に弓と馬の修練技術を通じて精神の高みに到達するという武士の道義が確立し、14世紀には弓術に大きな技術革新が起き、様々な流派が誕生した。織田と豊臣の16世紀には鉄砲の伝来により戦闘具としての弓の時代は終焉し、弓術の目的は心身鍛練となり、技法が次第に精妙になっていった。大正、昭和の時代、弓道は中等学校以上の学校教育として正課やクラブ活動に採用されたが、1945年11月に武道の授業は禁止となった。1951年7月、文部次官通牒により学校における弓道の実施が許可され、その16年後には体育局長通達によって高等学校における弓道の正科は採択された。現在では、学校の部活動やサークル活動により若者に普及し、日本だけでなく世界でも弓道は楽しまれている。

必要な道具

弓/矢/弽/弦/道着/袴/帯/足袋
※上記したものは必要最低限のものであり、その他にも消耗品など必要なものはあります

競技方法・ルール

弓道は、弓を使って矢を射ることだけが全てではなく、定められた所作や手順があり、正しい動きを守り、流れに沿って行うことが大切である。弓道で一番大切なものは「射法八節」と呼ばれる基本の動作であり、一本の矢を射るとき、定められた8つの手順に沿って行わなければならない。射法八節は基本的なルールであるため、弓道を始めるならまず最初に覚えなくてはならない。
弓道には近的と遠的があり、主流なのは近的である。近的では28m先の直径36cmの的に向けて矢を放ち、的中本数を競う。1回2本か4本で、1人1回以上行い、1回の本数をすべて的中することを皆中(かいちゅう)とよび、すべてはずれることを残念とよぶ。団体戦は1チーム3人や5人が主流で、1回の総的中数により勝敗を決め、トーナメント方式やリーグ戦(総当たり)方式がある。個人戦には射詰め競射(外したら負けのサドンデス)や遠近競射(的の中心に近いほうが勝ち)という形式もある。
※他にも細かいルールはあります
 

全日本弓道連盟ホームページ