クラゲ水族館

色とりどりの個体が存在!
クラゲ紹介

クラゲの種類は非常に多く、世界中で約2000種が知られています。

クラゲはその多様な形態と生態から、海洋生物学者や自然愛好家にとって魅力的な研究対象となっています。

新種の発見や分類学的な研究が進むことで、さらに多くの種類が明らかになる可能性があります。

ここでは、日本の水族館によく展示されているクラゲを5種類紹介します。

ミズクラゲ

ミズクラゲ

ミズクラゲは最も見分けやすいクラゲのひとつです。その体は非常に平たく、白っぽい色をしており、通常4つの大きな輪が中央付近に見られるのが特徴です。この4つの輪は生殖腺であり、それぞれの輪の内部には1つずつ胃があります。ミズクラゲの縁は波打っており、その縁には数百本の細く短い触手があります。これらの触手は、微小なプランクトンを捕食するために使われます。多くの触手を持っているにもかかわらず、ミズクラゲは人間に対してほぼ無害です。ほとんどの人は刺されても気付くかどうかという程度です。

学名:Aurelia coerulea

英名:Moon Jelly

分類:刺胞動物門/鉢虫綱/旗口クラゲ目

生息海域:沿岸の浅瀬、ふつう湾内でみられる

大きさ:成熟個体の傘の直径は30~50cm

アカクラゲ

アカクラゲ

アカクラゲは、外傘にある暗赤色の模様と非常に強い毒性が特徴です。縞模様は個体ごとに異なり、飼育下では稀に全身が白いアカクラゲが誕生することもあります。アカクラゲを乾燥させた粉が人の鼻に入ると「くしゃみ」が止まらなくなることから、別名「ハクションクラゲ」とも呼ばれています。また、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将、真田幸村が大坂の陣(1614年、1615年)でアカクラゲの粉を使用したという故事にちなんで「サナダクラゲ」とも言われています。

学名:Chrysaora pacifica

英名:Japanese Sea Nettle

分類:刺胞動物門/鉢虫綱/旗口クラゲ目

生息海域:日本沿岸

大きさ:傘の直径は大きいもので20cm以上

タコクラゲ

タコクラゲ

タコクラゲは、Golden Jelly(黄金のクラゲ)という英名でも知られています。茶色っぽい体に目立つ白い斑点が散在しているのが特徴です。タコクラゲの体が通常茶色っぽい体色をしているのは、体内に褐虫藻を共生させており、褐虫藻が細胞内に密在しているためです。西太平洋の小さな島国、パラオのいくつかの塩湖では、推定150万匹のタコクラゲが生息しており、観光の目玉になっています。

学名:Mastigias papua

英名:Spotted Jelly

分類:刺胞動物門/鉢虫綱/根口クラゲ目

生息海域:内陸の塩湖や沿岸の表層

大きさ:傘の最大直径8cm

アマクサクラゲ

アマクサクラゲ

アマクサクラゲは、九州の天草地方に多産することから和名が付けられました。傘の中央からは薄いリボンのような4本の口腕が伸び、傘の縁からは16本の触手が長く伸びています。触手はもちろん傘にも強い毒を持つ刺胞があり、刺されると酷く痛みます。アマクサクラゲはクラゲを食べる種であり、ミズクラゲを与えると触手で絡め取って食べてしまいます。しかし、不思議なことにアマクサクラゲ同士は共食いしません。

学名:Sanderia malayensis

中名:馬來沙水母 / 天草水母

分類:刺胞動物門/鉢虫綱/旗口クラゲ目

生息海域:アフリカ東岸や東南アジアなどインド太平洋の亜熱帯域から熱帯域

大きさ:傘の直径は20cm

インドネシアンシーネットル

インドネシアンシーネットル

インドネシアンシーネットルの英名である「Sea Nettle」は「海のイラクサ」という意味を持ちます。イラクサとは毒の棘のある雑草のことで、その名の通り、シーネットルは毒性の強い刺胞をもち、刺されると焼けるような痛みや酷い蕁麻疹の症状が現れることが多いです。飼育個体は白色のものが多いですが、野生個体は茶褐色の傘に赤色の縞模様が見られます。傘径に対して口腕がきわめて長いため、水族館ではインドネシアンシーネットル同士の口腕が絡まり合っている可愛い姿を見ることができます。

学名:Chrysaora chinensis

英名:Malaysian Sea Nettle

分類:刺胞動物門/鉢虫綱/旗口クラゲ目

生息海域:東部インド洋~西部太平洋の温暖な海域

大きさ:傘の直径は10〜20cmほど