Art Exhibition Review


ヨシタケシンスケ展かもしれない

Paul Klee at Picasso exhibition

この展覧会について

絵本作家としてのデビュー作『りんごかもしれない』(2013年)以降、子どもから大人まで大ブームを巻き起こしているヨシタケシンスケ。

頭のなかに広がる果てしない妄想やアイデア、クスッと笑える人のクセやしぐさ、世界の真理をつくようなものの見方を細いペン先で描き続け、多くの人々をひきつけています。

ヨシタケさんは絵本を出版する以前から、イラストレーター、造形作家として活躍してきました。 初の大規模個展となる本展では、作家の発想の源である小さなスケッチや絵本原画、本展のためにヨシタケさんが考案した立体物や愛蔵のコレクションなど約400点以上を展示し、作家の「頭のなか」をのぞいてみます。

発想の豊かさに支えられたヨシタケさんの「かもしれない」展示空間を、ぜひご体感ください。

鑑賞レポート

絵本作家として知られるヨシタケシンスケさん。デビューは40歳と遅咲きながら、それからの10年でMOE絵本屋さん大賞など数々の賞を受賞し、国内外の壁を越えて、様々な角度から評価され続けている。

日常の小さな出来事や感じたことをささっとメモすることの積み重ねで作られた本は、幅広い世代、国を超えて海外でも評判になっている。

ヨシタケシンスケ展かもしれない
圧巻の2000枚を超えるスケッチ
  
壁を埋め尽くす2000枚を超えるスケッチ(複製)は圧巻。手のひらサイズのメモに様々な場面やアイデアが書き留められており、その小ささに驚くとともに、ヨシタケさんの感じ方・考え方の一部を見ることができたことに感激した。一枚一枚を見るだけで一日中いられるほどのボリュームだった。

ヨシタケシンスケ展かもしれない
会場内の様子


中は順路がなく、自由に好きな順番で好きなだけ作品を見ることができる。展示の紹介が付箋で張られていたり、普通なら額縁に入れるような作品がジップロックに入っていたり、展示台の隙間に隠された作品があったりと遊び心満載。見るだけでなく、体験するタイプの展示があり、さらには案内やアルコール消毒にもヨシタケシンスケさんの絵がちりばめられており、ヨシタケワールドを心ゆくまで堪能できる非常に楽しい展示だった。

ヨシタケシンスケ展かもしれない

会場 世田谷文学館
会期 2022年4月9日(土)~7月3日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 10:00~18:00(入館17:30まで)
サイトURL https://yoshitake-ten.exhibit.jp/